障害者シンクロの魅力


なぜシンクロというスポーツが障害者スポーツとして広まりつつあるか・・・

それは水中における浮力の力がとても大きいといえるでしょう。陸上では立つことも困難な人が水中では浮力によって健常者と同じ様に立ったり歩いたりできるので、普段ではできない身体を使った自己表現が自由に出来るのです。

また重度の障害があっても一緒に取り組む人(介助者)と共に工夫次第で色々な演技が出来るようになります。泳げない人は歩き水中でも立てなかったり浮けない人は誰かに手を添えてもらってシンクロに取り組めるのです。この場合も障害者と健常者は決して、介助してもらう/してあげるという関係ではなくそれぞれが演技者であるというのが障害者シンクロの魅力といえます。

また、身体的な障害以外にも知的障害の人にもシンクロは受け入れられています。この場合は音楽に合わせて行うのがとても喜ばれることの大きな要因になっています。

普段ではなかなか自分から周囲の人と打ち解けられない人も、水に入り軽快な音楽に合わせて、皆と一緒に手や足を動かしたり列になったり回転したり時には、流れている曲に掛け声をかけたりととても楽しく演技をします。振りを覚えきれなくても、周りをみながら真似をしてみたり時には自分なりの表現をしてみたりと、さまざまですが、楽しみながら身体中を元気一杯に動かして泳ぎます。

これは記録や距離またはタイムなどの競技を苦手とする人にもとても効果的なスポーツと言えるでしょう。シンクロナイズ(synchronize)とは同調するという意味です。水や音楽、一緒に演技する仲間やそれぞれの持っている障害を超えてすべてを個性としてうまく演技に取り入れて同調することが障害者シンクロの最大の魅力でしょう。