障害者アーティスの経緯


一般的なアーティスは水中から身体や足を高く飛び上がらせたり、水中でもすばやく動き回り力強く立ち泳ぎやスカーリング(手のかき)をして、泳力をとても必要とする見た目の美しさとは、はるかに違うハードなスポーツです。

そのため「泳げない人や障害のある人には出来ないスポーツ」と考える人が、現在も沢山います。しかし、実際に障害者アーティスをご覧になれば本人の努力と少しの工夫でアーティスは誰にでもできるスポーツと認識していただける事でしょう。

障害者アーティスは1982年京都障害者スポーツ振興会の水泳教室を終了した人達からのもっと泳げるようになりたい、いろんな泳ぎが出来るようになりたいという願いから始まりました。そして京都を中心としてさまざまな障害者の水泳大会のエキジビションを行い、障害者アーティスを広めていきました。

そして京都障害者スポーツ振興会の努力によって1992年5月第1回障害者シンクロナイズドスイミング発表会が行われ、現在も毎年5月に続けられています。

アーティスの競技というのは規定とされている基本の型を正確に行う「フィギュア競技」と音楽に合わせて泳ぐ「ルーティン競技」というのがあります。ルーティン競技のなかにも規定要素を含んだ「テクニカルルーティン」と自由に演技を行う「フリールーティン」というものに分かれています。ですが、障害者アーティスは主に「フリールーティン」のみを行っています。

障害者アーティスには、ソロ・デュエット・チームのほかに3人で行うトリオがあります。一般のシンクロではチームは4人〜8人と決められていますが、障害者アーティスは4人以上であれば何人でもチームに参加することができます。ただし、各種目において演技者の半数以上が障害のある人たちで構成されることが決められています。

障害者アーティスは性別、年齢、障害の種類すべてに制限はなく、男性のソロや障害のある親あるいは子供と健常者である親あるいは子供とペアを組んで演技をしているチームもあります。